iPhoneとAndroidでObsidianを同期する方法
iPhoneとAndroidの両方でObsidianを使いたいなら、まず結論から言えます。公式の一体感を重視するならObsidian Sync、オープンソースでエンドツーエンド暗号化された代替サービスを探しているならSynchが有力です。iCloud、Google Drive、Syncthing、Gitも候補にはなりますが、iPhoneとAndroidをまたぐとそれぞれに癖があります。
ObsidianはノートをローカルのMarkdownファイルとして保存します。vaultは特別なデータベースではなく、普通のフォルダです。コピーできますし、バックアップできますし、他のエディタで開くこともできます。
このローカルファーストな仕組みはObsidianの大きな魅力です。ただし同期では、ノートだけでなく添付ファイル、プラグイン設定、テーマ、snippets、.obsidianフォルダも扱う必要があります。iPhoneとAndroidでは、このフォルダへのアクセス方法が同じではありません。
iPhoneとAndroidの同期が難しい理由
デスクトップでは、Obsidianの同期は比較的シンプルです。vaultを同期フォルダに置き、Obsidianで開けば、多くの場合はそのまま使えます。
モバイルではそう簡単ではありません。
iPhoneとiPadはAppleのファイル管理とアプリのサンドボックスの上で動きます。iCloud DriveはApple製品だけで使うなら自然ですが、AndroidからそのままObsidianのローカルvaultとして扱える共有フォルダではありません。
Androidはローカルフォルダへのアクセスが比較的自由なので、Syncthingのようなツールを使いやすい環境です。一方で、バッテリー最適化、バックグラウンド実行の制限、ストレージ権限によって、同期のタイミングがずれることがあります。
つまり、iPhoneでうまくいく方法がAndroidでも快適とは限りません。Androidで使いやすい方法も、iPhoneでは現実的でないことがあります。
先に結論
| 方法 | 向いている人 | プライバシー | 使いやすさ |
|---|---|---|---|
| Obsidian Sync | 公式の統合サービスを使いたい人 | エンドツーエンド暗号化 | 簡単 |
| Synch | プライベートなホスト型代替サービスを使いたい人 | エンドツーエンド暗号化 | 簡単 |
| iCloud | Apple製品だけで使う人 | Appleアカウントと設定による | Apple環境では簡単 |
| Google Drive、Dropbox、OneDrive | デスクトップ中心で使う人 | 提供元による | モバイルでは不安定になりやすい |
| Syncthing | Androidやデスクトップ中心の技術ユーザー | プライベートなP2P | やや難しい |
| Git | バージョン管理を重視する開発者 | リモートと設定による | 難しい |
iPhoneとAndroidの両方で日常的に編集するなら、Obsidian向けに作られた同期サービスを選ぶのがいちばん素直です。汎用クラウドやフォルダ同期ツールでもできる場合はありますが、気にすることが増えます。
始める前にvaultをバックアップする
どの方法を使う場合でも、最初にvaultをコピーしておきましょう。
vaultはフォルダです。同期設定の外にある別のローカルフォルダ、外付けドライブ、バックアップ用の場所などにコピーしておけば十分です。
一番危ないのは最初の同期です。古いコピーがアップロードされたり、空のフォルダが基準になったり、間違ったフォルダを接続してしまったりすることがあります。バックアップがあれば戻せます。
.obsidianフォルダを同期するかどうかも考えておくと安心です。この中にはプラグイン、テーマ、ホットキー、snippets、ワークスペース状態、アプリ設定が入っています。同期すると環境を揃えやすい反面、デスクトップ向けのプラグインやレイアウトがモバイルでは合わないこともあります。
迷う場合は、まずノートと添付ファイルだけで安定させましょう。設定の同期はその後でもかまいません。
選択肢1: Obsidian Sync
Obsidian SyncはObsidian公式の同期サービスです。
iPhoneとAndroidの両方で使うなら、もっとも説明しやすい選択肢です。Obsidianに組み込まれていて、エンドツーエンド暗号化、バージョン履歴、選択的同期に対応しています。
大きな利点は、iCloud、Google Drive、Androidのストレージ、サードパーティのファイル同期ツールを無理にObsidian用の同期レイヤーとして扱わなくてよいことです。Obsidian Syncは最初からObsidianのために作られています。
弱点は価格です。公式サービスの料金に納得できるなら、手間の少ない選択肢です。
選択肢2: Synch
SynchはObsidian向けのオープンソース、エンドツーエンド暗号化同期サービスです。
Google Drive、Dropbox、OneDriveのような汎用クラウドに依存せず、SyncthingのようなP2P同期を自分で管理しなくても使える、プライベートなホスト型同期を目指しています。
iPhoneとAndroidでは、単にファイルを運べばよいわけではありません。異なるモバイルOSのファイル管理とバックグラウンド動作の中で、同期がなるべく予測しやすく動くことが重要です。
Synchでは、vaultのデータは端末上で暗号化されてからアップロードされます。サーバーに保存されるのは読めるノートではなく、暗号化されたデータです。同期の流れも汎用フォルダではなくObsidian vaultを前提にしています。
Synchが合いやすいのは、次のような場合です。
- iPhoneとAndroidを両方使っている
- エンドツーエンド暗号化されたホスト型同期がほしい
- SyncthingやGitを自分で管理したくない
- iCloud、Google Drive、Dropbox、OneDriveにvaultを置きたくない
- Obsidian Syncのオープンソース代替を探している
Obsidian SyncとSynchで迷うなら、公式の組み込みサービスを優先するならObsidian Syncです。オープンソース、プライバシー、エンドツーエンド暗号化、ホスト型の手軽さを重視するならSynchが合います。
選択肢3: iCloud
iCloudは、すべての端末がApple製品なら自然な選択です。
Mac、iPhone、iPadだけで使うなら、シンプルなObsidian vaultはiCloud Driveで足りることがあります。すでに使える状態になっていて、設定も少ないため、最初に試す人も多い方法です。
ただし、iPhoneとAndroidの間でObsidianを同期する方法としてはおすすめしにくいです。
問題は、AndroidからiCloudのファイルを何らかの形で見られるかどうかではありません。AndroidがiCloud上のフォルダを、オフラインでも安定して使えるObsidianのローカルvaultとして扱えるかどうかです。バックグラウンド同期や競合処理まで考えると、日常的に頼るには不安が残ります。
iCloudはAppleだけのObsidian環境で使いましょう。Androidも毎日使うなら、別の方法を選ぶほうが現実的です。
選択肢4: Google Drive、Dropbox、OneDrive
クラウドドライブはなじみ深いサービスですが、Obsidianのモバイル同期は普通の文書保存よりも要求が厳しくなります。
Obsidianは、安定して読み書きできるローカルvaultフォルダを必要とします。モバイルのクラウドドライブアプリは、専用アプリ、ファイルピッカー、オフラインキャッシュとしてファイルを見せることが多く、それがObsidianにとって常に使えるフォルダとは限りません。
この点ではAndroidのほうがiPhoneより柔軟ですが、プロバイダー、オフライン設定、ストレージ権限、補助アプリによって体験が変わります。
よくあるリスクは次のとおりです。
- Obsidianが必要なときにファイルがローカルにない
- アップロードやダウンロードが遅れる
- 同期完了前に複数端末で同じノートを編集してしまう
- ノートだけ先に届き、添付ファイルが後から来る
.obsidian設定が端末ごとに違う動きをする
主に1台で編集し、もう1台では読むだけならクラウドドライブでも足りることがあります。iPhoneとAndroidで毎日双方向に編集する用途には、あまり向いていません。
選択肢5: Syncthing
Syncthingは人気のある無料P2P同期ツールです。
Androidでは強力な選択肢になり得ます。ローカルフォルダへのアクセスが比較的自由なので、Obsidian vaultを端末間で直接同期しやすいからです。
一方、iPhoneでは事情が違います。iOSのファイルシステム制限により、通常のSyncthingらしいフォルダ同期はかなり難しくなります。回避策やサードパーティの方法があっても、Androidほど単純で予測しやすいものではありません。
デスクトップとAndroid中心で、端末の接続、フォルダ共有、ネットワーク状態、競合処理を自分で管理できるならSyncthingを検討できます。
iPhoneとAndroidを一緒に使う場合は、たいてい一番簡単な道ではありません。
選択肢6: Git
ObsidianのノートはMarkdownファイルなので、Gitとの相性は悪くありません。
開発者ならGitは魅力的です。commit、history、diff、変更レビューを明確に扱えます。
ただし、多くの人にとってGitはなめらかなモバイル同期ツールではありません。commit、pull、push、認証、merge conflictを理解する必要があり、GitプラグインやモバイルGitアプリが必要になることもあります。添付ファイルが多いvaultでは、リポジトリ管理も重くなります。
バージョン管理が目的でGitの運用に慣れているなら選択肢になります。単にiPhoneとAndroidでObsidianを開いて書き続けたいだけなら、負担が大きい方法です。
よくある問題
一番多いのは、最初の同期が終わる前に編集してしまうことです。Androidが最新のノートをまだ受け取っていない状態でiPhoneから同じノートを編集すると、重複や競合が起きることがあります。
添付ファイルがノートより遅れて届くこともあります。Markdownファイルはすぐに同期されても、画像、PDF、音声、動画は時間がかかる場合があります。その間、ノート内のリンクが壊れて見えることがあります。
プラグイン設定も摩擦になりがちです。デスクトップ用のプラグインがモバイルで動かないことがありますし、iPadでは快適なワークスペースがAndroidスマートフォンでは使いにくいこともあります。.obsidianフォルダ全体の同期は便利ですが、常に安全な初期設定とは限りません。
同じactive vaultに複数の同期ツールを重ねないでください。たとえばvaultをiCloud Driveに置きながら、別のObsidian同期サービスでも同期すると、競合の原因がわかりにくくなります。
FAQ
iPhoneとAndroidでObsidianを無料で同期できますか?
できます。ただし無料の方法にはたいてい手間が伴います。SyncthingはAndroidでは強力ですが、iPhoneでは難しくなります。Gitは技術ユーザーなら使えますが、日常の同期としては重めです。クラウドドライブは補助ツールや運用ルールが必要になることがあります。手軽さを重視するなら、Obsidian向けの同期サービスを使うほうが簡単です。
iCloudでAndroidまで同期できますか?
多くのユーザーにはおすすめしません。iCloudはAppleだけで使うObsidian環境には合いますが、Androidまで含めたきれいなクロスプラットフォーム同期レイヤーではありません。
Google DriveでiPhoneとAndroidのObsidianを同期できますか?
補助ツールや手動運用を組み合わせれば可能な場合はあります。ただし安定した方法とは言いにくいです。Obsidianには信頼できるローカルファイルアクセスが必要で、モバイルのクラウドドライブアプリが常にそれを提供するわけではありません。
SyncthingはiPhoneでも使えますか?
SyncthingはiPhoneよりAndroidでずっと実用的です。iOSのファイルシステム制限により、一般的なSyncthingの使い方は難しくなります。
.obsidianフォルダも同期すべきですか?
設定、テーマ、ホットキー、プラグインを端末間で揃えたいなら同期してもよいです。モバイルとデスクトップで設定を分けたい場合や、モバイルで不安定なプラグインがある場合は、全体を無条件に同期しないほうが安全です。
SynchはObsidian Syncの代替になりますか?
はい。Synchはオープンソースでエンドツーエンド暗号化されたObsidian Sync代替として作られています。汎用クラウドドライブを使わず、P2P同期を自分で管理せずに、プライベートなホスト型同期を使いたい場合に向いています。
まとめ
iPhoneとAndroidの間でObsidianを同期することはできます。ただし、どの方法が合うかは、どれだけ設定や運用を自分で管理したいかによって変わります。
公式の統合サービスを使いたいならObsidian Syncを選びましょう。
オープンソースでエンドツーエンド暗号化されたObsidian Sync代替と、ホスト型の手軽さを求めるならSynchを選びましょう。
iCloudはApple製品だけで使う場合に向いています。Syncthingは技術ユーザーで、Androidやデスクトップ中心なら強力です。Gitはバージョン管理が目的で、競合解決に慣れている人向けです。
多くのiPhoneとAndroidユーザーにとっては、汎用クラウドドライブやファイル同期ツールを無理に合わせるより、Obsidianのために作られた同期ツールを選ぶほうが長く楽に使えます。